臨床検査とはどのようなものか?保健科学東日本に聞く

最終更新日 2024年10月31日

臨床検査

▶️臨床検査とは?

診療目的の臨床検査は、患者の傷病状態を調べる為に行われるもので、補助診断とも呼ばれています。
この検査には問診や診察が含まれていて、必要であれば触診なども行われるのが一般的です。

患者の身体に起こっている問題は何か、傷病の状態はどうかという判断に活かされるので、重要性はとても高いと考えられます。
検査による診断の際には、傷病を判定する目的で確率を推定する、ベイズ推定を用いるのが基本となります。

経験が豊富な医師であっても、判定が難しい傷病はいくつも存在するので、確率的に判定を行うというわけです。
確率に基づき判定するので、臨床検査の精度にはある程度の幅や、信憑性を上下させる要因があります。

70年代のアメリカにおいては、血液型の検査で約20%ほどのミス、細菌検査に至っては最大で40%の判定ミスが報告されています。
生理検査では何と、最大で半数の50%に到達していますから、かつての精度はとても低かったといえるでしょう。

全体的には4分の1、約25%の判定ミスが発生していたので、アメリカ国内でも批判が起こっていました。
しかもこれはレベルの高い検査室における数字なので、アメリカ全体で見れば更に、ミスの割合が高かった可能性があります。

約50年ほど経った現在でも、臨床検査は実際に活用されていますし、保健科学東日本はじめ日本でも重要なものとなっています。
その理由は検査精度の向上で、誤診を防ぐ取り組みの発展によって、ある程度信頼できるやり方に進化済みです。

※保健科学東日本について
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▶️検査機器のメンテナンスを正確に行う必要がある

ただし、全く誤診が発生しないわけではありませんから、今日においても精度の向上に取り組み続けているところです。
具体的には検査機器のメンテナンスを正確に行い、測定結果に狂いが出ないように取り扱うなどです。

これには医師自身の知識や心構えが問われますし、機器が導き出した結果がどれだけ正確でも、人の取り扱い方に問題があれば結論を誤ってしまいます。
そこで、定期的に正しい機器の取り扱い方を学んだり、管理の質を高める仕組みが設けられているわけです。

検査機関や使用する機器の種類、扱い方の間違いなどが積み重なって結果は狂うので、少しでも誤差を減らすように努力が行われています。
臨床検査の場面では、血液を採取して病気の状況を調べたり、検尿で尿を見て内臓異常の有無が診断されます。

血液検査は貧血の度合いに加えて、炎症が起こっているかなどが判別可能です。
血液からは更に、血糖やたんぱく質の異常や、ビタミンにホルモン分泌の状態といったものが分かります。

尿だと肝臓や腎臓の状態が分かりますし、消化器官に異常が出ても尿に変化が現れるので、広範囲の検査に用いられます。
免疫血清学的な検査であれば、体内に潜むウイルスや細菌の特定ができますから、具体的な治療方法の検討に役立ちます。

細菌が健康の問題を引き起こしている場合は、微生物学的にも検査を行って、もっと判定や治療の精度を上げることがあります。
微生物学的検査は、身体から検体を採取して培養を行い、より高精度に細菌や微生物を検出するものです。

結果が分かるまでに暫くの日数を要しますが、それでも臨床検査における重要な検査方法なのは間違いないでしょう。

▶️輸血・臓器移植関連検査について

輸血や臓器移植を前提とする場合は、これらの適合率を調べる輸血・臓器移植関連検査が行われます。
この検査では血液型を調べる交叉適合検査と、臓器移植の適合率を判定する、臓器適合検査の2種類があります。

細胞内のDNAを調べて異常を検出する遺伝子検査も、とても大切な身体のチェック方法となっています。
病理学的検査は、臓器や組織の一部を顕微鏡で観察して、病気や病気の兆候がないか直接的に調べます。

主に、いわゆる悪性腫瘍のチェックに用いられているもので、他の検査方法では分からない状態の判別に活用されています。
ここまでは検体検査と呼ばれていて、採取した検体のチェックを行う内容が中心です。

一方には生理機能検査というものがあって、こちらは検査機器を使い数値や画像的に調べるのが特徴となります。
心臓に関連する疑いでは、心電図と心音図や脈波を調べ、心筋梗塞と心不全といった病気の診断に役立てられます。

脳の病気は脳波を活用して、脳波計で脳神経などが詳しくチェックされます。
糖尿病や動脈硬化の疑いがある場合は、眼底写真検査で血管の異常を探し、発症の有無や度合いが調べられます。

他には、レントゲンでは判断できない肺の呼吸機能検査や、身体の外から内臓などの状態を見る超音波検査も有名です。
磁気を使って共鳴エネルギーを画像化する、磁気共鳴画像検査もありますし、体温を映像化して色で判別する熱画像検査も活用されます。

これらは全て臨床検査の一部で、それぞれは個別に行われるものですが、必要に応じた組み合わせで精度が高められるようになりました。
誤診のリスクや確率の問題もないわけではありませんが、現代においてはこれらのやり方が現実的で、精度の高い検査方法となっています。